活かすセラピー

自然体で活かされる人に

『感覺の世界』と言葉のすれ違い

言葉のすれ違いを

深く知る本に出合いました。

 

「自我」って言葉に違和感を感じて

どなたが訳されたのだろうか?

と思いながら

いろいろ探しましたが

わからないままです。

 

しかしながら、

懸田克躬先生が訳された本に

出会いました。

昭和18年に出版された

『感覺の世界』ブッデンブロック著

創元社

このページP257に

位置覺について

『かようなわれわれ自身の躰から出ていく興奮に対し

科学の世界では餘り了解し難い

「自己受容性(proprioceptive)」なる言葉を

おしつけられている。

もし少し分かり易いような語を考えてみたら

よかったであろうに。

この言葉の代りに自家感覚とでも

名づけたらどんなによかったと思うのであるが、

このeigensinn(文字通りの意味は自家感覚)なる言葉は、

ドイツ語を創った人々は

他人の感覚の方が自己の感覚よりも

よいという考えをもっていたらしく、

我意とか自己中心的とかいうような

意味の罵詈にしてしまっているのである。」

※現代仮名遣いに変換しています。※

 

この文章をみて

私の違和感の「自我」も

これに似た事があるのかもしれないと

本当に理解したければ原語を

理解するか

意味合いの背景のような

ものを理解するか

 

原語で育った環境で

言葉の意味の違いがあること。

たしかに自分の身近でもおきている。

 

日本語もこの違いがある事を

教えてもらった

とても大切な「本」となりました。

 

ちなみに現在、

位置覚の「自己受容性」は

「固有受容感覚」と訳されている様です。

時代の流れでも言葉の意味が変わってくる。

 

カウンセリングやコーチングは

言葉を掘り下げて聞く

大切な作業の意味が

ここにもあると思います。

 

言葉によるすれ違いが

おきる事がある

 

『言葉の意味を擦り合わせる』

 

これも「言葉のちから」です。